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【リレー連載】vol.18 伊藤祥子さん(「geckou」主宰)前編

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2017.12.22

家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

 今回登場するのは、隅田川を見下ろすマンションに暮らす伊藤祥子さん。ロンドンで花を学び、現在は「geckou(ゲッコウ)」というオーダーメイドでアレンジメントなどを制作するウェブフローリストです。


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A . 家族4人で暮らすのは、築22年のマンションの6階。2015年に屋上、駐車場など共有部が改装された、いわゆるリノベーション物件。屋上には居住者のためのテラスがあり、マンション内でカーシェアができる、といういまどきのサービスも。

B.  フローリストである伊藤さん。ダイニングテーブルの上や本棚など、そこかしこにセンスよく季節の植物が飾られている。

C. 窓からの景色。きらきら輝く隅田川の自然、高速道路と東京の下町らしい喧噪、さまざまな要素がミックスされた何とも魅力的な住環境。


 銀座や日本橋まで歩いて行ける、東京のど真ん中。
江戸情緒あふれる老舗の名店と、再開発で話題を呼ぶ施設が混在するエリアで、伊藤さんは夫と6歳と2歳の男の子と4人で暮らしています。
 住まいは、マンションの6階。
こんな都会的な立地だというのに息苦しくないのは、80平米と広めの1LDKというゆったりした間取りと、窓の外に隅田川が流れ、大きな空が広がっているから。
 子育てをしながらの住み心地をうかがうと、近所にも同世代の家族が多く住んでいること、川沿いの遊歩道は春には桜が咲き誇り、夏は大きな花火が打ち上がって、隅田川があることで季節がより感じられること、近くにある中学校の吹奏楽の練習の音が風に乗って聞こえてくること、都会のなかにも自然と人々の生活の営みがあるという、住んでいる人しか知らない意外な街の姿を教えてくれました。

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D.  家族や友人たちのほうを向いて料理をしたい」という伊藤さんの希望からキッチンはアイランド型に。「タカラスタンダード」のステンレス製をセレクト。換気扇の取り付け位置や子どもへの安全を考えたうえでコンロは壁側に配置したが、水道とコンロが離れたことで「最初は少し使いづらかった」とか。


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E. もともとはシステムキッチンのパネル材が貼られていたというキッチンの引き出し。それを外して、夫が材木屋で買って来た木材をネジで取り付けた。取っ手は真鍮製。取っ手はコーティングをしていないため、毎日触れるうちに少しずつ緑青が出たり黒ずむこともあるけれど、それは劣化ではなく「味」。DIYの材料がそろう「toolbox」で購入。


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F. アイランドキッチンの下部は、引き出しなどを設けずにあえてオープンに。ワゴンやキャスター付きのゴミ箱を使うことで、そうじもラクに。
G.  コンロ下もオープンな収納に。食材と調味料ストックは、DIYした木のボックスに。こちらもキャスターを付けて引き出しやすい工夫を。


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H. キッチンの引き出しにシロクマ、発見! こうしたところに使うつまみは、家を買う前から少しずつ集めていたとか。


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I. コンロ下は使わないときは突っ張り坊&キッチンクロスで隠す。使って汚れてしまうのがもったいないと思っていたので、ここで使うことに。

 

子育てをするうえでこのエリアを選んだのは、結婚した当時から住んでいてなじみのある街だったから。以前は、馬喰町で3階建ての古いテナントビルを丸ごと、伊藤さんのアトリエ、夫の仕事場、住居として借り切っていたそうです。
「長男が生まれて手狭になったことと、日当たりが悪かったこともあって、住み替えを考え始めました」
 ビルの密集地で裏通りにあったため、午前中だけ、しかも10cmくらいしか日差しが入ってこなかったと笑う伊藤さん。日当たりのいい家に住みたい、と思っていた矢先、隅田川沿いに立つヴィンテージマンションがリノベーションで生まれ変わるらしい、という話を聞いて説明会に参加。部屋の間取りや仕様もオーダーメードで改装してくれる、ということもあり、購入にいたりました。

 家のリノベーションは、いくつか用意されているプランを選ぶか、何人かいる設計士さんを選んでプランニングしてもらうか、というもの。
「こういうふうにしたいという内装が自分たちのなかで決まっていたのでプランから選ぶということはせず、設計士さんにおねがいしたのですがかなり面倒くさい施主だったと思います」

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J. 柱には、鹿の骨のオブジェが。これは、出産前に旅したイギリスのマーケットでの戦利品。よく見るとあちこちにこういったユーモアあふれるプロダクトやポスターがディスプレイされていて、家全体がおもちゃ箱のよう。


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K. アンティークショップの「DEMODE FURNITURE」のシーリングライト。ダイニングテーブルや椅子を探しにでかけた際に見つけたとか。


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L. 友人が主宰する「BUBLAMP」で購入した、工業用の糸巻きをアレンジしたペンダントライト。ほどよい光量で、料理中の手もとを優しく照らしてくれる


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M. キッチンの壁に取り付けた古いシェードランプは、イギリスのマーケットで見つけたもの。使用にあたり配線が必要なので、早めに使うことを設計士さんに伝えて取り入れてもらった。
N. 伊藤さんのご実家から受け継いだデスク付き本棚。書類など雑多なものはここに収納。


 というのは、伊藤さんはシンクやコンロなど好きなものを自分たちで準備しそれらをパッチワークのように組み合わせてキッチンを作りたいと希望し、対してマンション側は、最低限これだけは使ってもらいたいという資材があったから。
 そこで、最低限の設備を備えたステンレス製のシステムキッチンを取り入れ、あとは自分たちで手を加えるという作戦に。
「アイランドキッチンは希望のサイズを伝えてステンレス製のシンプルなものにしてもらい、
その周囲を友人に頼んで木の板で囲んでもらったり、壁側のキッチンは一番安いシステムキッチンにして、あとから面材を取り換えたり」
 さらには、自分たちで用意した取っ手やつまみを取り付けて、どこにもないオリジナルなキッチンになりました。


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O& P. 料理をする伊藤さんの足もとには、次男の慧君がハイハイ……。引き出しに隠していたストック類をすべて取り出して、このあと大惨事に!

Q. お昼ごはん中の慧君。ベーカリー「BEAVER BREAD」のパンをもぐもぐ。おいしそうによく食べます。


 後編では、子ども部屋の様子と伊藤さんの愛用の道具をご紹介します。


後編へ

 

取材・文 高橋 紡
写真 萬田 康文

 

Writer's Profile
伊藤祥子 Shoko Ito

ロンドンで花を学び帰国後、友人と2人で2005年に「geckou」を立ち上げる。色や質感にフォーカスした独自のスタイルで生花アレンジだけでなく、ドライフラワーやプリザーブドフラワーを使ったボタニカルグッズ、ウェディングブーケも手がける。月に1回、アトリエでワークショップも開催。6歳&2歳の息子と夫と4人家族。
geckou atelier
http://www.geckou.com/


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