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【リレー連載】vol.21 峰 典子さん(フリーライター)後編

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2018.06.08

2LDKのマンションに家族3人で暮らすフリーライターの峰 典子さん。キッチンは、押し入れのように少し奥まった場所にあって、なんだか心やすらぐ雰囲気。夜、自宅で仕事をするときはダイニングテーブルでパソコンに向かいながらも、あんこを炊いたり、スープを煮たり。子どもは眠って、夫はまだしばらく帰ってこない。この静かな「夜のあんこ時間」がとっても似合う、巣のようにこもれる空間でした


前編はこちら


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リビングとキッチンを区切るアルミの作業台は、「PIT PAL ALUMINIUM WORK TABLE」という、F1レースのコックピットで使われる台。


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キッチンの背面の壁には造り付けの棚。息子さんが描いた絵や、写真が趣味という夫のカメラコレクション、文房具や不可思議なお面など楽しいディスプレイ。


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造り付けの棚のなかは、ぎっしりと峰さんの料理本や息子さんの絵本が。昭和生まれには懐かしいお料理童話『こまったさんシリーズ』『わかったさんシリーズ』は息子さんも大好きな本。文字はまだ読めないけど、絵を見て楽しんでいるそう。

 

 本や文章を書くことが好きで、出産後にライターに転身した峰さん。仕事の合間の現実逃避に、とバッグに欠かさないのは文庫本。小説は国内外問わず好きで、最近ちくま書房から復刻版が出版された、昭和の大ヒットメーカー、獅子文六作品を薦めてくれました。

 50冊以上持っているというレシピ本は、最近のものもあるけれど、料理研究家の元祖ともいえる故・江上トミ先生や辻調理専門学校の本が多く、正統派かつクラシカル。食文化にまつわるエッセイや文献を含めると300冊という料理本好き。

「レシピを見て作るわけではないけれど、作り方のコツや写真を見て楽しんでいます」

 家で作るごはんは、峰さんいわく「地味なごはん(笑)」。夫は、基本的には外で食べて帰ってくることが多いので、よく食べるようになってきた4歳の息子さんが食べやすいものが中心とか。あまり、食材はストックを持たず足りない分だけをこまめに買い出しにいくようにしているそう。シンプルなメニューを新鮮な食材で、をモットーに毎日キッチンに立っています。

 一方、自分好みのスパイスをきかせたエスニックな料理の腕をふるえるのは、フードユニット「rakko」で。保存食など時間がかかるものを作るのが好きで「ウスターソースとかレモンピールとか。作って販売できたらいいなあ」

 rakko印のウスターソース、おいしそうではないですか!

古書の料理本から得たヒントと、日々の子育てからの学び。そして、峰さんらしい自由な発想から生まれる、保存食。とても楽しみでなりません。


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峰さんおすすめの本。『バナナ』は、獅子文六による昭和のどたばたホームコメディ。1959年発表の作品だが、最近文庫化されて再ブームが来ているそう。『人間をお休みしてヤギになってみた結果は、人生に疲れた著者、トーマス・トウェイツがヤギになりたいあまりさまざまな実験をする、というサイエンスドキュメンタリー。「ばかばかしすぎてげらげら笑えます」。ちなみに、トーマス・トウェイツは、この実験で2016年のイグノーベル賞を受賞。


峰さんの愛用道具

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古書好きな峰さんは、料理本も古書派。神保町の古書店「悠久堂書店」などで好みの写真やデザインのものをブックハンティング。「写真をパラパラ見ているだけでも楽しいです」。


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手前は、沖縄のしりしり器。野菜は、スライサーや手で千切りにするよりも、しりしり器のほうが断面にギザギザができて調味料がなじむ。奥は、ごま炒り器。キャンプで使うコッヘルは、お弁当づくりで野菜をほんの少量茹でるのに重宝。


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器は民藝のものが好き。うっかり割ってしまったものは、独学したという金継で自ら修復。あえて、継ぎ目を金ではなく黒のままにしたりと、自分でやるからこその楽しみがある、とか。


私の勝負飯「レモンライス」

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常備している自家製塩レモン。去年の夏にさっぱりしたごはんを食べたくて、試しに白米に炊き込んだら、さわやかな酸味、適度な塩分で、これが好評。「塩レモンと鶏肉は相性がいい」と友人が来たとき鶏肉も炊き込んだらさらにおいしくなって、以来峰さんの定番となりました。友人や夫だけでなく、4歳の息子さんも「おいしい」と喜ぶ夏の味。


<作り方メモ>
「塩レモンは、レモンをスライスし、好みの塩で漬けるだけ。レモンが空気に触れるとそこからかびてくるので、塩で覆いかぶせるようにしてください。1週間ほどすると水分が出てくるので、これがいい調味料になります。そして、レモンライスは、といだ2合の米と同量の水を鍋や炊飯器に入れま、塩レモンのエキスを小さじ2〜3ほど加えます。そこに、皮目だけ焼いた鶏もも肉、塩レモンを数枚混ぜ込んで炊きます。炊きあがったら器に盛り塩レモンとこしょうを添えます。こしょうがおいしいのでホールのこしょうの挽きたてをふるか、仙人スパイスの“純胡椒”も合いますよ」


峰さんにとってキッチンとは?

「趣味と実益を兼ね備えた、ラボラトリーのような場所です」


峰さんのイベント出店のお知らせ


7/7に吉祥寺[バショ_イノヨン]にて、世界の料理、世界のキッチンの魅力をつめ込んだポップアップイベントを開催します。
ヨーロッパやアメリカの蚤の市で見つけてきたアンティークキッチン雑貨を販売。
峰さんからはレシピ本から時代小説、絵本にいたるまで食にまつわる古本と切手を用意する予定だそうです。
詳しくは[バショ_イノヨン]facebookページにて。


取材・文 柳澤智子
撮影 よねくらりょう

 

Writer's Profile
峰 典子 Noriko Mine

1984年、神奈川県茅ヶ崎市出身。ライター・コピーライター。幼少期からの本好きで、小学校では図書室に入り浸る。レコード会社や広告代理店勤務を経て、出産を機にフリーライターの道へ。企業ウェブサイトや雑誌などを中心に活動。フードユニット「rakko」としても、ゆるゆると企画進行中。


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