特集

【リレー連載】vol.6 森 清美さん(服飾作家) 前編

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2016.02.26

家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、そして物語がつまっているように思います。
使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

バトンは、エディトリアルデザイナーのシラス・ヴィダールさんから、「ZAN」という洋服のブランドを主催する、服飾作家の森清美さんへ。
おふたりはシラスさんの日本人の奥様を通じての友人。
材料となる布と古着が美しく積み重なったアトリエの一角にあるキッチンへおじゃましました。

 

vol.6 森 清美さん(服飾作家)

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以前はオフィスだったそうで森さんが立っているのは、1畳ほどの給湯室だったという場所。壁を取り壊し、自ら壁、天井を白くペイントした「大変だった2ヶ月」の賜物。

 

駅前の商店街立地。居酒屋の上に広がる
ワンダーランド的キッチン

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キッチンに向かって左側がダイニングスペース。お店の什器だったという正方形のダイニングテーブルと、国立のアンティーク店「LET’EM IN」で購入した椅子。引っ越しが多いふたりにちょうどいいコンパクトなサイズ。


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軍ものの簡易ベッドをソファ代わりに。窓の高さに合わせて本棚をDIY。ふたりとも貴帳面な性格のようで、雑誌、写真集、小説ときちんとジャンルを分けて収納。


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左)どこか懐かしいデザインの水道。給湯は整備し直しなんの不便もない。
右)ガスコンロは「リンナイ」。無骨なデザインで業務用のステンレスキッチンとの相性がいい。


左)古い物件のせいか、窓まわりなどデザインがシンプルで絵になる。
右)「サンタマリアノヴェッラ」のポプリやアロマキャンドル、お香など香りものが好きな森さん。家で仕事をしているとき、香りを変えてリフレッシュすることも。


郊外のターミナル駅。庶民的な店が並ぶ商店街。目印は、意外とお鮨がおいしいといわれるフランチャイズの居酒屋。飲食店やパソコン教室などが入居する、もともとはオフィスだったという物件に、森 清美さんはパートナーと暮らしています。
雑居ビルといった外観からは想像もつかないほど、素敵な空間。窓は大きく、天井は高く。なによりLDKだけで 40平米はある広さ。寝室やそのほかも含めると75平米でお手頃家賃。しばらく借り手がいなかったとは思えない優良物件です。
「内見にきたときは、もっと古くってこんなんじゃなかったんですよ」と森さん。
天井は紺色、壁はクリーム色という謎の配色でペイントされ、壁で仕切られていたという給湯室は雑然としたまま。バランス釜のお風呂は壊れていて使えず、かなり改装に時間をかかることを覚悟して入居を決めたそう。
パートナーとふたりで「ZAN」というブランドを主宰する森さん。洋服作りには、とにかくスペースが必要。アトリエと自宅を一緒にしたかったため、この広さと“いかにもマンション”といった生活感のなさは逆に理想的だったといいます。 
はさみやミシンをバールとペンキはけに持ち替えて2ヶ月。いらない壁と天井を解体し、がれきを運び出し、シーラーやペンキを何度も塗る。「いつかセルフビルドで自分たちの家を作りたい」と思っているふたりには、ちょうどいい予行演習だったとか。


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キッチンの背面がアトリエスペース。大きな作業台にはミシン、布を大量に積んだ棚、材料となる古着のストックと、とてもきれいに整頓されている。仕事と暮らしが同じ空間だから、日々の整頓と空気の入れ替えは大事。


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森さんがデザインしたというワンショルダーのエプロン。ラフで素敵です。「ドイツの精肉屋さんってみんなこんな感じのエプロンつけているんです」

 

ストレス解消に料理をする、という森さん。キッチンをどう使いやすくするか、考えるのも楽しい作業でした。
「キッチンは給湯室用にステンレスの水道とシンクがもともとあって。業務用って寸法が統一されているので、高さと奥行きがあう、ガス台や棚を専門店で探しました」
出来上がったのは、ミニマムなキッチン。収納で足りない分は、好きで集めてしまうという木箱でフォロー。シンプルなだけではない、あたたかな森さんの人柄がにじみでるような雰囲気になりました。

<後編へ続く>


取材・文 高橋 紡
写真 萬田康文

 

▼これまでのキッチンリレーはこちらから

Vol.1 福田春美さん(ブランディングディレクター)
Vol.2 栗又貴美さん(「ジーペンクォー」デザイナー)
Vol.3 白尾可奈子さん(イラストレーター)
vol.4 カワナカユカリさん(イラストレーター)
vol.5 シラス・ヴィダールさん(エディトリアルデザイナー)

 

Writer's Profile
Kiyomi Mori

フリーランスのパタンナーを経て、2011年より自身のブランド「ZAN」を立ち上げる。現在は、「ZAN」にて既存の物を再構築した一点物の服を製作する。また、国内ブランドのコレクション製作なども行う。


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