静かで穏やかな佇まいに心惹かれて。megumi tsukazakiの陶の世界

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2018.10.04

地面のヒビを思わせる貫入がある器。ぽちゃん、と落ちた雨粒のようなアクセサリー。
人の手で作られるのに、まるで自然から生まれたような存在感が素敵なmegumi tsukazakiの陶磁器たち。
作り手の塚崎 愛さんのアトリエにおじゃまし、作品ができるまでのお話を伺いました。


塚崎 愛さん。なんと、前職はお菓子屋さんで販売をしていたという異色の経歴。


作品が生まれる場所。ろくろの前には作品のサイズなどを書いた設計図や、力をもらっているという雑誌の切り抜きが貼られています。


作品を見たら「ホッ」と一息つける
さりげない存在感がいい

塚崎さんの作品のテーマは、「水のような 空気のような 静かな陶」。このテーマに行きついたのは、何がきっかけだったのでしょうか?

塚崎さん
「はじめは、陶芸学校の授業で【表現】が課題になったことがきっかけでした。実用的な器を作ることに興味があって通っていたのですが、授業をきっかけに、表現したいもの、私は何が好きなのかを改めて考えました。雨が降った日にできる水たまりや、桶に水が溜めてある様子……。何かが混じって乳濁している感じとか。気が付くと、ふとした瞬間に“水”を見つめていることに気がついて。モチーフにしたらいい作品ができるかも、と思ったんです」


塚崎さん
「“水”を陶器で表現するために、いろいろ模索しました。自然のものだから、人工感が出ないように細心の注意を払います。
ジュエリーベースなら、ガラス釉が溜まっている“静かな”雰囲気を活かすために、ざらざらの質感の土台にしてみたりして」



塚崎さん
「生活の中にあって目立つ存在というより、私の作品が目に入ったら、ホッと一息つけるような存在であってほしいという思いがあったので、“空気”みたいに片隅にあるくらいの存在感がいい、と思っていて。全部組み合わせると『水のような 空気のような 静かな陶』というテーマになりました」


作品の自然な存在感を大切にするのには、塚崎さんご自身が大切にしている“源”についての考え方が根底にありました。
アクセサリーの制作スペースに飾られていたのは、いつかのミナペルホネンの展示会で配られていたフライヤー。「手」というタイトルの手書きの文章は、ミナペルホネンのデザイナー・皆川明さんが手しごとをテーマに書いたもので、塚崎さんの宝物だといいます。


塚崎さん

「ちょうど陶芸をはじめた頃にもらったもので、陶芸に通ずるものがあるなぁと思って。はじめたときのものがひとつあると、こうして何年経っても、あの頃の気持ちに戻れるというか。だから常に貼っておいています」


塚崎さん
「私にとっては皆川さんのフライヤーが、見ると自分の“いいとき”に戻ってこられるスイッチのような存在なんですけど、私の作品も、手に取ってくれた方にとってそんな存在になってくれたらいいなと思っています。

誰でも暮らしているといろいろあると思うので、揺らぐときも、その中で自分の根っこになる存在というか、見失わないでいるための指標というか。“源”というと大げさなんですけどね。『この器を買ったとき、店員さんとのおしゃべりが楽しかったな』とか、何気ないことでいいんです。

私自身、道具とか、家具とか、なんてことない身の回りのものでも、“変わらないもの”に助けられているなぁと感じることが多いので、自分の作品もその中の一部になってくれたら、と思います」


作業台の前の壁に貼った写真家・髙﨑紗弥香さんの展示会の案内状(左上)。髙﨑さんの写真が好きだという塚崎さんですが、これも“源”のひとつ。ただ「好き」という以上に、グループ展で知り合った頃の刺激をもらったよろこびや、楽しかった想い出を呼び起こすきっかけになっているそうです。


先着でビジュアルブックをプレゼント

megumi tsukazakiの作品をお買い上げいただいた方に、先着でビジュアルブックをプレゼントします。絵ハガキを集めたような作りなので、壁に飾ってインテリアとして楽しんでも素敵です。※なくなり次第終了。

 

「megumi tsukazaki」商品一覧

 

写真:古家由美(3~5、7~10、12枚目)、吉岡真理(13枚目)、megumi tsukazaki ご提供(その他) 取材と文:箕浦 梢

 

Writer's Profile
塚崎 愛[つかざき・めぐみ]

神奈川県横浜市生まれ。2015年「megumi tsukazaki」を立ち上げ、「水のような 空気のような 静かな陶」をコンセプトに器やアクセサリーなどを作陶。


おすすめアイテム

もっと見る