体をいたわる自然派ご飯をいただきに! Vol.1 mique(駒澤大学)

2018.08.24

「おいしい」と思うとき、そこにはきっと理由がある、はず。
食べる人のことを思った体にうれしい料理、作り手の信念を感じる料理や素材、心も温まるストーリーのある料理……。
そんな「おいしい」の正体を探して、食に思いを込めているお店や料理家さん、食のスペシャリストを訪ねて回ります。

第一弾は、体をいたわる自然派ご飯をいただけるカフェ&レストランのご紹介。
猛暑の疲れが早くもやってきたという人は、ぜひ足を運んで、心身ともにリフレッシュしてみてくださいね。


人にも地球にもやさしい、野菜とお豆たっぷりの料理

今回訪れたのは、駒澤大学から徒歩3分ほどの閑静な住宅街にある、ヴィーガン料理店「mique(ミケ)」です。
大きなガラス窓の前に植栽の緑が爽やかにそよぐ、おしゃれな外観。ドアを開けると、迎えてくれたのは、健康的でやさしい笑顔が素敵な女性、瀬戸恵子さんです。
お店は、瀬戸さんひとりで切り盛り。ランチタイムには、多種多様なおかずがまるで絵画のように美しく配されたランチプレートが楽しめます。


ガラス扉や窓からやさしい自然光がたっぷりと入り、中はリラックスできる空間。


ランチプレートの内容は日替わり。瀬戸さんは美大を出た後、広告代理店でデザインの仕事をしていただけに、ビジュアルも見事! このときのおかずは、「高黍バーグ、焼野菜&フムス、きのことキヌアのマリネ、モロヘイヤのてんぷら、ゴーヤと切干し大根、こんにゃくのピリ辛、枝豆、ほおづき」と8種類。


mique は、2015年に荏原中延にオープン。建物が取り壊しになったため、2017年5月に、瀬戸さんの自宅近くの今の場所に移転した。


「人と地球にやさしいご飯を目指しています」と話す瀬戸さんは、もともと子供の頃にアトピーをわずらっていたそう。
「母がそんな私に、マクロビオティック料理を意識したご飯を作ってくれていたので、玄米菜食には慣れ親しんできました。さらに、会社勤めのときに震災を経験して、地球環境によくて人の体にもいい食事を提供することで、少しでも社会貢献できればいいなと考えるようになったんです」。

そして、ニューヨークにある「ナチュラルグルメインスティチュート」という料理学校のプロ養成講座で1年間勉強。ヴィーガン料理やフレンチの店などでインターンをしながら、もともと大好きだった料理の腕をさらに磨き、帰国後数年を経て、お店をオープンさせた。

「ヴィーガン料理とは、肉、魚、卵、乳製品などの動物性由来の食材を使わない料理です。出汁や調味料も動物性由来のものは使いません。その分、タンパク質が不足しないよう、豆や雑穀をたっぷりと使い、ビタミンやミネラルもきちんと摂れるようにしています。だから、お腹もしっかり満たしてくれますよ」

そう話すように、ランチプレートには、豆や雑穀が大活躍。
「高黍(たかきび)バーグ」は、高キビという、まるでひき肉のような形状のキビと、おから、テンペ(大豆などを発酵させたインドネシアの伝統食品)を使ったハンバーグ。食べてみると、食べ応えもコクもあって、肉のハンバーグに引けを取らないおいしさでした。


調理場の棚には、雑穀や豆が入ったビンがずらり。栄養と満足感を補うのに欠かせない食材。


「ハトムギとかぼちゃの冷製スープ(ディナーのメニュー)」は、ハト麦のおかげでボリューム感アップ。ハト麦は食感のアクセントにもなっています。


デザートは、無農薬の米粉で焼く、ヴィーガン&グルテンフリーのパウンドケーキが定番。具材は野菜かフルーツが日替わりで。甘さは有機メープルシロップでつけています。


世界各国の料理のおいしさが集結!

野菜は、自然農法、無農薬、有機農法のものを中心に使用しているという瀬戸さん。だから、どのおかずも野菜の味がくっきりと際立っています。調味料もほどよい加減で、やさしい味わい。
でも、それに留まらない奥行きも感じます。食べ進みながら、「これには調味料って何を使ってます?」と、ついつい何度もたずねてしまったほど。

聞いてみると、「ハトムギとかぼちゃの冷製スープ」は、シナモンと生姜が隠し味に。「高黍バーグ」のコクの正体は醤油と味噌で、「きのことキヌアのマリネ」のやさしい酸味の正体は、リンゴ酢だったりと、調味料使いが巧みでした。

「和食に固執せず、中東、中華、洋食、ローフード、フレンチなどいろんな料理をミックスしています。調味料も、醤油や味噌、お酒などのほかに、クミン、コリアンダー、チリなんかもよく使うし、ときどきハーブや赤、白ワインも使ったりします」と瀬戸さん。

でも、決してパンチをきかせるのではなく、舌にすっとなじむような、ほどよい匙加減なのです。


瀬戸さん愛用のたまり醤油。「小麦粉アレルギーの方も多いので、小麦粉不使用、有機大豆で作られたものにしています。味もとってもおいしいですよ」。


ランチプレートの主食は、小豆と黒米が入った玄米。無農薬玄米を自身で発芽させて酵素玄米にしたもので、ほんのりと甘味があります。


「おうち」のような、温もり溢れる場所

miqueはもともとガレージだった場所を改装。こぢんまりとしたスペースに、4人掛けのテーブル席がひとつとカウンター席があるだけの親しみやすい空間です。

「常連さんが多く、おしゃべりに来てくださる感じもあります。初めてという方でも、こういう距離なので自然と会話が生まれて。お客さん同士も何度か顔を合わせるうちに、挨拶をかわして話すようになったりということも多いです」。

そんな人とのつながりが生まれるのもmiqueの魅力。お客さんと瀬戸さんの軽い会話が、店内のやさしいBGMのようにも感じられます。


食器棚は、もとは小料理店で使われていたものを、譲り受けた。カウンターに座ると、まるでお母さんが食事の支度をしているような穏やかな風景が広がります。


テーブルに活けられた可憐な花々も、やさしくお出迎え。


「愛情のこもったお母さんのご飯を食べているような、作り手の顔が見えるお店でいたいなと思っています」と話す瀬戸さん。

お皿をお客さんにサーブしながら、「焼き野菜はフムス(ひよこ豆のペースト)と一緒にいただくと合いますよ。ほおづきは甘いので、最後にデザートとして食べてみてくださいね」と説明している様子からも、その思いは自然に伝わってきます。

食材を吟味して、丁寧に調理して、優しく提供する。料理という行いの根っこにある愛情を、ひしひしと伝えてくれるお店でした。


※ディナーはコース仕立てで、予約のみ。遠方からのお客さんも多く、女子会やご夫婦での来店が多いそう。
ランチは予約も可能。1日15食ほどの提供なので完売する日もあり、予約がおすすめとのこと。

 

mique(ミケ)
住所:東京都目黒区東が丘2-10-16 1階
最寄り駅:駒沢大学駅より徒歩3分
電話番号:090-3432-0960
営業時間:火曜〜木曜 18:00-22:00(コースディナーのみ ※予約制)
     金曜~日曜 12:00-16:30(15:30L.O.)
休日:月曜
席数:8席
URL:www.mique-plantbasedfood.com/
   www.facebook.com/mique-279318212264042/

 

撮影_リュックを背負って60カ国、放浪好きの岡本淑
取材・文_ゆるゆるマクロビ歴10年の諸根文奈

 


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