体をいたわる自然派ご飯をいただきに! Vol.2 BROWN RICE(表参道)

2018.08.31

「おいしい」と思うとき、そこにはきっと理由がある、はず。
食べる人のことを思った体にうれしい料理、作り手の信念を感じる料理や素材、心も温まるストーリーのある料理……。
そんな「おいしい」の正体を探して、食に思いを込めているお店や料理家さん、食のスペシャリストを訪ねて回ります。


本コラム第1弾のテーマは、夏の疲れを払拭してもらおうと、自然派ご飯をいただけるお店のご案内です。

今回取り上げるのは、2003年にオープンした表参道にある玄米菜食のお店「BROWN RICE(ブラウンライス)」。日本の選りすぐりの生産者さんから仕入れる玄米や野菜、調味料を使う味わい豊かな玄米菜食がいただける、自然派ご飯好きから長く支持されるお店です。

一ファンの私ですが、出産育児でここ数年間あまり出歩けず、今回の取材で久しぶりに足を運ぶことができました。訪れてみると、2014年にリニューアルされ、さらにコンセプトを深堀りしたこだわりのあるお店へと進化していました。生産者さんのお話をたっぷりと聞くとともに、玄米をおいしく炊く方法も教わったので、玄米生活を始めたい人も、ぜひ参考にしてみてくださいね。


「野菜が摂りたい!」ときの駆け込み寺

「なんだか最近野菜が足りていない……」。そんなときに外食するなら真っ先に選びたいのが、BROWN RICEです。表参道駅から徒歩1分とアクセスがよく、それでいて都会の喧騒を感じることなく、隠れ家カフェのような落ち着きがあります。

植栽の緑が心地いいエントランス。店の母体である、オーガニックコスメやハーブを取り揃える「ニールズヤード レメディーズ」に併設されています。


壁の黒が、古い日本家屋の黒壁を思わせる、情緒あふれる雰囲気。


豆腐料理を主菜に、玄米ご飯、お味噌汁、副菜2品、漬物がセットになった定食「一汁三菜」は人気の品。この日の主菜は、島豆腐を使った豆腐カツで、国産大豆の濃厚な味が楽しめます。


「動物性のものは一切使わずに、玄米、野菜、大豆の3つの食材を基本にしています。肉や魚を使わないのは、玄米菜食の啓蒙というわけではなく、安全だとわかっていて手に入りやすいのが、この3つの食材だからですね」と話してくれたのは、まさに健康美人という雰囲気の店舗マネージャー、阿部梓さん。

さらにお店で徹底しているのが「ホールフード」だそう。「ホールフード」とは、野菜は皮や葉の部分、魚なら頭から全部など、食材をできるだけまるごと食べることによって、栄養を余すところなく摂ろうという食のコンセプトです。

「そんなホールフードの象徴が、玄米です。野菜は皮や葉など、調理する際に出た野菜くずをためてベジブロス(出汁)をとり、昆布などでとった別の出汁を加えて、おみそ汁に使っていますよ」。そんなベジブロスのお味噌汁は、疲れた胃腸をそっといたわるようなやさしい味わいでした。

「豆腐のレモンケーキ」は、全国にファンを持つ、埼玉にあるもぎ豆腐店の「三之助豆腐」をベースにしたレアチーズ風味のデザート。レモンの皮が爽やかさを、メープルシロップとアガベシロップがほのかな甘さをプラスしています。


日本茶や紅茶にハーブをブレンドしたお茶が、効能別に4種類揃う。ハーブセラピストが考案したもので、美容と健康におすすめ。


おいしさの秘訣は、米の種類と圧にあり

「玄米はデトックス効果が高いと言われています。体に合わない方もいらっしゃるのでそれぞれでいいと思うのですが、玄米を食べると体が整うという方がやはり多いです」と阿部さん。

でも、玄米は炊くのが難しいと聞きます。硬すぎたりベチャッとなったり、なかなかふっくらと炊き上がらず、自分で玄米を炊こうとしても続かない人も多いとか。そう阿部さんに話すと、BROWN RICEの玄米ご飯の「ふっくらもちもち」の秘密を教えてくれました。

「まずはお米の種類が大切です。うちでは、富山県の生産者が作るコシヒカリ、“医王の舞”という水分量が多いもちもちとした食感の玄米を使用しています」。

聞くと、“医王の舞”は、富山の海で獲れたイワシなどを発酵させた栄養価の高い自家製肥料を畑に入れたり、ヨーロッパで採用されているシュタイナーが考案した月の満ち欠けを元にしたワイン作りを参考にして毎年研究を重ねるなど、生産者の絶え間ない努力が生んだこだわりの玄米でした。

店舗マネージャーの阿部さんいわく、「お米によって炊き上がりに差が出るので、まずはいろいろと試してみてくださいね。お気に入りの米を見つけるのが第一です」。


やわらかくて食べやすい玄米ご飯。「どうやって炊いているんですか?」とお客さんから聞かれることも多いそう。


さらに、できるだけ圧が高い炊飯器または圧力鍋を選ぶのもポイントだそう。
「うちでは、しっかり圧がかかるフィスラー製の圧力釜を使っています。まとめてたくさん炊いたほうがおいしくできますよ。また、炊くときに料理酒を少し加えると、お酒のアミノ酸の効果でやわらかくなるのでおすすめ。もみ殻のにおい消しには、塩ひとつまみを加えて」と、おいしく炊くコツを伝授してもらいました。


食材は信頼のおける生産者さんから

野菜のおもな仕入れ先は、有機栽培、完全無農薬で野菜作りをする静岡・富士宮のなごみ農園と、自然栽培で作られた在来種の野菜をメインにセレクトする八百屋「ミコト屋」。安全性が高く、新鮮な旬の野菜が毎日のように届きます。

そんなこだわり野菜のおいしさを引き立てるのが、日本有数の生産者から仕入れる調味料。味噌は山形県のすずき味噌のもの、酢は京都・宮津の飯尾醸造が作る「富士酢」、みりんは愛知の角谷文治郎商店のものと、錚々たるラインナップです。

なかでも自慢の醤油は、昔ながらの木樽で醤油作りを行う、川越の松本醤油店の「はつかりしょうゆ」。「天保時代からある蔵で、蔵つき酵母という蔵についた菌で1年以上じっくり発酵させているから、味と香りが断然違います。麹も手作りなんですよ。生産者さんが値段設定を間違えたと話すくらい、リーズナブルな価格も魅力です。うちのスタッフいわく、出汁みたいに飲める、と言うぐらいおいしい」と愛情たっぷりに語ってくれました。

こちらも人気の「旬野菜のせいろ蒸し膳」のスタンバイ。スタッフはみな野菜好き。


生命力を感じる野菜たちが店内にディスプレイ。外食だと野菜がどうしても不足しがちだが、こちらでは野菜が主役。


取材したこの日の「一汁三菜」をいただいていると、「ん? これなんだろう」という野菜がいくつかありました。聞いてみると、モウイという沖縄産の赤ウリや紅しぐれ大根、赤オクラなど珍しい野菜の数々。

「いらっしゃるお客さんが野菜好きなので、楽しんでもらえるように、一般ではあまり手に入らない野菜を取り入れるよう意識しています。面白い野菜が手に入ると、どうしたらおいしく食べられる?とスタッフ全員で考えています」と阿部さん。

安全性とおいしさにこだわった玄米や野菜、昔ながらの製法で手間ひまかけて作られた調味料を使い、調理方法もアップデートしながら、女性が元気になれる食事を長きにわたって提供し続けてきてくれたBROWN RICE。「来てくれた人に食事を楽しんでもらいたい」というシンプルな思いがあるからこのお店はいつでもフレッシュなんだな、と今回気付きました。この先もますます進化を遂げて、作り手と食べる側をつないでいって欲しいと思います。

 

BROWN RICE by NEAL'S YEAR REMEDIES
住所:東京都渋谷区神宮前5-1-8 1階
最寄り駅:表参道駅 A1出口より徒歩1分
電話番号:03-5778-5416
営業時間:11:30~18:00(食事~17:00 L.O./ドリンク~17:30L.O.)
     ※ランチは11:30~12:00のみ予約可能
     ※夜の時間帯も今後再開予定
休日:不定休
席数:37席(テラス席含む)
URL:https://www.nealsyard.co.jp/brownrice/

 

撮影_リュックを背負って60カ国、放浪好きの岡本淑
取材・文_ゆるゆるマクロビ歴10年の諸根文奈

 


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