vol.2 チーズの種類言えないと恥ずかしい!? 学芸大学のチーズ専門店に教わるチーズの話とおいしい食べ方

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2018.11.30

「おいしい」と思うとき、そこにはきっと理由がある、はず。
食べる人のことを思った体にうれしい料理、作り手の信念を感じる料理や素材、心も温まるストーリーのある料理……。
そんな「おいしい」の正体を探して、食に思いを込めているお店や料理家さん、食のスペシャリストを訪ねて回ります。

今回はナチュラルチーズがテーマ。

vol.1に続き、チーズ専門店「ユーロアール」オーナーの鈴木さんから、チーズの種類とおいしい食べ方を教えていただきます。
さらに、追加熟成というチーズの本当のおいしさを引き出す手法についても、お話を伺いました。


知れば知るほどチーズって面白い!(続編)

vol.1ではフレッシュ、白カビ、ウォッシュタイプのチーズをレクチャーしていただいたので、まずはその続きからスタートです。

 


シェーブルタイプ

シェーブルとはフランス語で山羊を意味します。文字通り、山羊のミルクを原料に作られたチーズのことで、代表的なものにヴァランセ、サントモール・ドゥ・トゥレーヌ、クロタン・ドゥ・シャヴィニョルなどがあります。

前回紹介したチーズ同様、フレッシュチーズが元となりますが、成型したあとの製造工程はチーズによってさまざま。そのまま熟成させたもの、白カビや木炭紛で熟成させたものなどがあり、形もピラミッドのような形状や円筒形のものなど多種多様です。
山羊のミルク特有の個性的な味は好みが分かれますが、チーズ通にはたまらない味わい。

サントモール・ドゥ・トゥレーヌはポプラの木炭紛をまぶして熟成させたチーズ。真ん中に藁(わら)が1本通っているのも特徴です。


■サントモール・ドゥ・トゥレーヌのおいしい食べ方

おつまみとして食べるのがおすすめです。少し温めて食べてもおいしいですよ。
熟成が進むと固くなり旨味が増すので、ナイフなどで削っておつまみに、おろし金でおろして料理やサラダにトッピングしても。

 


青カビタイプ

青カビを使って熟成させるチーズです。代表的なものにイタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトン、フランスのロックフォールがあり、この3つが「世界三大ブルーチーズ」と呼ばれています。
一般的な作り方ですが、まずは適度にホエー(乳清)を除去したフレッシュチーズに青カビと食塩を混ぜた粉を振りかけ、型詰めします。その後「剣山」にも似た針でチーズの数か所に穴を通します。青カビは好気性菌ですので空気に触れると元気に繁殖を始めるのですね。ロックフォールの場合、こうした作業を4カ月ほど続けた後に出荷されます。

ゴルゴンゾーラには2種類あり、ゴルゴンゾーラ・ピカンテは青カビの刺激で軽い辛みがあり、ゴルゴンゾーラ・ドルチェは青カビが少なくボディーもクリーミーです。


■ゴルゴンゾーラのおいしい食べ方

【ゴルゴンゾーラと洋梨の冷製デザート】

熟して柔らかくなった洋梨をスライスしてバットに並べ、その上に薄く切ったゴルゴンゾーラと軽く炒って刻んだ松の実をちらす。ハチミツを全体にかけたら、洋梨のスライスをさらに並べ、ラップをかけて冷蔵庫で冷やす。
冷えたらそのままお皿にサーブするだけと手軽で、おもてなしのデザートにもぴったりです。

 


セミハードとハードタイプ

セミハードタイプは元となるフレッシュチーズを加熱せずに圧縮、ハードは加熱してから圧縮したものです。また、セミハードよりハードのほうが圧縮の度合いが強く水分量が減るため硬質です。
どちらも熟成期間が長く、保存性が高いのも特徴。
セミハードタイプはゴーダ、カンタル、マリボー、ルブロションなど、ハードタイプはコンテ、パルミジャーノ・レッジャーノ、チェダーなどがあります。

ルブロションは表面の皮にスルメイカの一夜干しのような旨味があり、中はバタークリームのようにミルキーでトロリとした食感です。


■ルブロションのおいしい食べ方

【ルブロションとじゃがいものオーブン焼き】

ふかしたじゃがいもをカットし耐熱容器に敷き詰め、ルブロションをちぎってちらす。コショウをかけて、チーズに少し焦げ目がつくまで200℃のオーブンで焼く。
ルブロションはじゃがいもとの相性がとてもいいので、ぜひ試してみてください。

 

コンテは時間をかけて熟成させるチーズで、4~8カ月ほど熟成させたものはマイルドな味わいで溶けやすく、料理にも向いています。おつまみには10カ月以上のものが濃厚な味わいでおすすめ。


■コンテのおいしい食べ方

コンテはコーヒーにもよく合い、フランスでは気の利いたカフェなんかだと、コーヒーにスティック状に切ったコンテが添えてあります。お家でもそんなふうに楽しんでみてください。また、コンテは日本茶とのマリアージュも楽しめますよ。


チーズは生き物。“面倒のみかた”でこんなに変わる!

チーズ専門店は輸入チーズを豊富にそろえているところ、そんな風にこれまでイメージしていたのですが、実際はそれだけではまったくなく、チーズそれぞれの状態を見ておいしさを引き出したり、チーズを育てたりといった奥深い作業をしている場所でした。

鈴木さんに例を出して説明してもらったのが、フランスのノエル(クリスマス)には欠かせないというモンドール。モミの木の樹皮を使った容器に入った、トロリとしたクリーム状のチーズです。

「フランスでも、一般のチーズ屋さんで売られているものは、表面は白い粉がふいていてカビでおおわれている。でも、フロマージュリーと呼ばれるチーズ専門店では、毎日追熟作業をしているから、粉やカビはなく表面がとてもきれいなんだよ」

本場のフロマジュリーのように、ユーロアールでも鈴木さんの手によって丁寧な追熟作業が行われています。美しい見た目だけでなく味の差も歴然で、「ほかのお店で買ったけど、やっぱりここのが一番おいしい」と言って、ユーロアールに戻ってくるお客さんも多いのだとか。


自家製のモルジュ液(熟成作業のための特別な溶液)を毎日ぬって追加熟成をします。

 

ほかにも、シェーブルタイプは湿度を低く保ち、風にあてておくことが必要。鈴木さんいわく「常に風に吹かれていないと体調を崩す」のだそう。

シェーブルタイプはできたての若いものと熟成が進んだものとでは、それぞれ特有のおいしさがあり、用途も異なるチーズ。

風にあて続けることでチーズの中の水分が飛んでいき日に日に縮んで固くなり、旨味が凝縮していきます。そうして熟成が進んだものは、ナイフで削りとりながらお酒と楽しんだり、おろし金でおろして料理やサラダにトッピングするといった食べ方があるのだとか。


すべてシェーブルタイプで、若いものと熟成が進んだものを並べて比較。


手にとっているのが熟成の進んだもの。左横が若いもので、こちらが元のサイズ。

 

これまでは 輸入チーズ=完成品と思っていたのですが、チーズをどうお世話するかで味に差が出たり、チーズを育てて違う味わいに変えていったりするものなのですね。

チーズはまさに“生き物”、ますます興味がわきました。

次回では、鈴木さんがそんなチーズという生き物にはまり、お店を開くまでに至った経緯にせまります!

 

vol.1 チーズの種類言えないと恥ずかしい!? 学芸大学のチーズ専門店に教わるチーズの話とおいしい食べ方はこちら

vol.3 チーズの種類言えないと恥ずかしい!? 学芸大学のチーズ専門店に教わるチーズの話とおいしい食べ方はこちら

 

ユーロアール
住所:東京都目黒区中央町2-35-17
最寄り駅:学芸大学駅より徒歩6分
電話番号:03-5768-2610
営業時間:11:15~19:00
休日:月曜 ※祝祭日の場合は営業。繁忙期は変更あり
URL:https://www.euro-art2001.com/

 

撮影 古家佑実
取材・文 諸根文奈

 


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