春の“養生ごはん”を探しに。雑貨好きもたまらない複合施設「CASICA」のカフェ(新木場)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2019.03.21

「おいしい」と思うとき、そこにはきっと理由がある、はず。
食べる人のことを思った体にうれしい料理、作り手の信念を感じる料理や素材、心も温まるストーリーのある料理……。
そんな「おいしい」の正体を探して、食に思いを込めているお店や料理家さん、食のスペシャリストを訪ねて回ります。

今回は「春の養生」がテーマ。季節の変わり目で体調を崩しやすいこの季節、どんなご飯を食べたらいいかは悩みどころ。

そこで、春の体をととのえてくれるご飯を求めて、新木場の複合施設「CASICA(カシカ)」を訪れました。カフェスペースは、人気料理ユニット「南風食堂」の三原寛子さんが料理を監修。薬膳やアーユルヴェーダの考えを取り入れつつも、旬を大切にしたやさしい味わいのメニューが揃います。

春に食べるといい食材のお話もたっぷりとお聞きしましたのでぜひご一読くださいね。


 

 


ランチに雑貨探し、半日いても飽きない場所「CASICA」

2017年にオープンした新木場の複合施設「CASICA」は、古くからある銘木倉庫をリノベーションした天井高のある広々とした空間。そこに、カフェをはじめ、雑貨や古道具、グリーンのショップ、ギャラリー、アトリエ、スタジオなどが集結しています。


デリカテッセンスタイルのカフェは、古い漢方薬局をイメージした素敵なインテリア。


テーブルの間隔が広く、ゆったりと寛げる開放的なカフェスペース。授乳室がありキッズチェアも用意されているので、子ども連れでも利用しやすい。


雑貨スペースには、日本をはじめヨーロッパやアフリカなど世界各地の民藝や日用品が数多く並びます。


 グリーンスペースを担当しているのは、植物との関係を新しく再構築するプロジェクトチーム「園藝と再生」。

雑貨スペースには、新しいもの古いもの、価格の高いもの安いもの、国や民族を越えて種々雑多なものが混在しています。商品は絶えず入れ替わるので、毎回宝探しの気分で足を運べそう。ランチをいただいて、雑貨探しをして、ギャラリーを覗いてと、半日かけて楽しめる場所です。

目次に戻る

 


春の養生、どこにポイントを置けばいい?

カフェのフード監修をする「南風食堂」の三原さんは本コラムの第6回でもご登場いただきました。今回は春の養生について詳しくお話してくれます。

―春はいつも体調を崩しがちで……。皆さんそうだと思うのですが、それはどうしてでしょうか?
「アーユルヴェーダの考えなんですが、冬はクリスマスやお正月などがあり食べすぎてしまったり、寒くて不要なものを体にため込みやすい時期。それが春になると、体は依然として冷えてはいるんですが不要なものが溶けだしてくる時期なんです。なので、溶けだしたものを排出するため、デトックス効果のある食材を多くとるといいとされています」
「あと、中医学的には春は肝臓や目に負担がかかりやすい時期。溶けだしたものを肝臓が受け止めることで負担がかかり、それが目にも連動します。花粉症もこれに関係しているんですよ。怒りっぽくなったりイライラしたりと心が乱れやすいのもこの季節の特徴。溶けだしたものが原因でいろんなトラブルが起きやすいので、この時季はできるだけ体を温めたり、代謝をあげてムダなものを排出するのが大切です」


笑顔がチャーミングな三原さん。国際中医薬膳師の資格を持つほか、アーユルヴェーダの料理教室も定期的に開催されています。


メニューは季節ごとに入れ替え。世界各地の料理に詳しくスパイス使いが上手な「南風食堂」さんらしい楽しいラインナップ。

目次に戻る

 


この時季食べるといい食材はこれ!

―なるほど。では春のメニューには、そういったデトックスや体を温める働きのある食材が使われているんですね。
「食材だけでなく、たとえば酸味、辛味、苦味など味の性質も、季節ごとにいいとされているものがあるんです。でも、ルールに縛られすぎたガチガチの薬膳食にならないよう、旬のおいしさや世界のいろいろな料理との出会いも楽しめる内容にしていますよ」


常時10種類ほど用意されているおかずから3品選ぶと、雑穀ごはん、お味噌汁、お漬物がつく基本のセット。

―見た目も春らしいですね! 具体的には春はどんな食材をとるといいのでしょうか?
「“イカとセロリとひじきの柑橘マリネ(写真左上)”は、イカとセロリとクコの実が入っていて、どれも“肝”を補う食材。ひじきは海藻なのでデトックス力があります」

―酸味がほどよく、やさしい味! さっぱりしたセロリがイカやひじきと合います。
「中医学的に春にいいとされているのが酸味。でもとり過ぎはバランスを崩すので、穏やかな酸味をアクセントにしています」

―こちらのサラダはピンク色ですね。
「“春キャベツとビーツのツナマヨサラダ(写真中央)”で、ピンクはビーツの色。ビーツはアーユルヴェーダでは体のすべてのバランスを整える力があると言われています」

―実はビーツはちょっと苦手で……。でも、これはおいしい! 青じその香りも爽やかで、素敵な組み合わせですね。
「ビーツは味にクセがある根菜で、苦手な方が多いですよね。なので、使う量を控えめにして、アーユルヴェーダ的にこれまた春にいいキャベツを合わせています」

―“青菜と厚揚げのマスタード炒め(写真右上)”もスパイスの辛味がほどよく、ご飯がすすみます。
「マスタードシードなどいくつかのスパイスを加えて辛味を出しています。アーユルヴェーダでは、春には苦味・渋味・辛味がいいとされているんですよ。“スパイスで体を温め、青菜でデトックス”というメニューです」

―今日の青菜は小松菜ですね。スパイス使いは真似できませんが、青菜と厚揚げの醤油ベースの炒めものなら家で簡単に作れそう。青菜は小松菜のほかになにが使えますか?
「春菊とかほうれん草でもいいですよ。あと、山菜もデトックス効果があるので、春に積極的にとるのがおすすめです」


カフェにある書棚には、民藝やアートにまつわる貴重な本がずらり。セレクトを担当したのはブックディレクターの山口博之さん。

雑貨スペースで販売されている器は、カフェで利用されることも。食事をして気に入り、同じものを買って帰るお客さんも多いのだとか。

季節の変化、心と体の変化に耳を傾けて選びとった食材やスパイス、調味料を使いていねいに作られた料理は、不調を感じる心と体をそっと元気づけてくれるはず。春の養生にぜひ訪れてみてくださいね。

目次に戻る

 

CASICA(カシカ)
住所:東京都江東区新木場1-4-6
最寄り駅:「新木場駅」より徒歩3分
電話番号:03-6457-0826
営業時間:11:00~19:00 (LO.18:30)
     4/2より11:00~18:00 (LO.17:30)
休日:月曜(祝日の場合は営業、翌火曜日休館)
https://casica.tokyo/

 

三原さんが開催するアーユルヴェーダ料理教室『マハト・チューニング』クラスは第5期生を募集中。詳しくは「南風食堂」公式HP:http://www.nanpushokudo.com/にて。

 

 

撮影 古家佑実
取材・文 諸根文奈

 


おすすめアイテム

もっと見る