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【リレー連載】vol.22 わだりかさん(フォトグラファー)前編

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2018.06.22

 家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、そして物語がつまっているように思います。使いやすいようにどんな工夫をしているの?
どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?
いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。

 22回目は、フォトグラファーのわだりかさんの物語。リレーをつないでくれた峰 典子さんとは、「峰さんがまだ高校生だったときに知り合って、彼女が企画したイベントによんでくれた」という20年のご縁!


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A わださんが夫と2匹の猫とともに暮らすのは、1LDKの賃貸マンション。「ステンレスの台しかなかった」という超シンプルなキッチンは、棚や引き出しをDIYで追加してご覧の通り、使いやすく。

B 夫の小宮山裕介さんもフォトグラファー。ダイニングのカーキ色の壁は賃貸ながら自由に棚をつけたり色を塗り替えたりしてもいい、とか。以前は猫が遊ぶ棚をつけていたけれど、今は友人でもある画家・岡崎真悟さんの作品を飾っている。

C クラフト好き、料理好きなわださん。フォトグラファーだけでなく、小宮山さんとともに移動写真館をしたり、「いかにも」じゃないカメラバッグを企画して販売したり、ギャラリーを運営したりと写真を軸に幅広く活動中。


水難の1年だった!? 水漏れが原因で2階から4階へ

 東京・早稲田。学生街として知られていますが、小さな印刷工場が多く残る職人街でもあります。「印刷機の音や紙、インクのにおい、朝から道をフォークリフトが走り回っているような独特の雰囲気が好きで、もう13年住んでいます」

 このエリア内で引っ越しすること3回で、今の住まいは4軒目。築年数は少し古いけれど、大家さんが照明関係のデザイン事務所を営むそうで、センスのいい照明計画、床から天井までフルに使った扉や障子などの建具、自由にDIY可というダイニングの壁など、魅力的にリノベーションされています。

「ここに決めた大きな理由はペット可物件だったこと。保護猫を飼うことになって家を探し始めたんですが、なかなかなくって」

 ようやく希望のエリアで見つかったのが、このマンションだったとか。飼い始めた雄猫にはイリーと名付け、夫婦ふたりと猫1匹で暮らし始めます(2年後にもう1匹、雌猫がやってきて今は2匹に)。

 が、1年半たった頃、上階の水漏れが原因で家中が水浸しに。壁も床も壁も生活道具もすべてが見るも無惨な状態になり、しかも補修に2ヶ月はかかるといわれ、引っ越さざるをえないことになりました。

「そのとき2階に住んでいたんですけど、大家さんから4階があいてるから、といわれて2階から4階に移動したんですよ。だから、ここには3年住んでいるけど、この部屋にはまだ1年半しか住んでいない(笑)」

 4階にあがったことで日当りがよくなるという嬉しいオマケも。ただ、部屋が左右反転したためDIYで作り込んだキッチンまわりの棚が数mmの差でおさまらない……というハプニングが。

 ちなみに同じ年に、借りている事務所の地下階にじわじわと地下水がたまり、あわやこちらも水浸しという危機があったとか。

「あまりに水難が続くので厄よけに行ったり、友人にかっこいいけど運が悪くなりそう、と言われたリビングの壁をグレーからカーキに塗り直したりして、運気をあげるように務めましたよ」


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D DIYした棚。2階に暮らしていたときに作ったものだが、なぜか同じ間取りなのに4階のキッチンにははまらず、リサイズした。

E キッチンカウンター左手、冷蔵庫の死角にコンベクションオーブンを。収納スペースがないため、台を自作しその下はボウルやざるを置くスペースに。

F 超シンプルなステンレスキッチン。夫婦のDIY魂に火がつき、収納したいもののサイズに合わせて棚を自作。電子レンジをのせているのは以前友人が造ってくれたもの。「じょう発皿」「試験管ばさみ」とシールが貼られた引き出しは、小学校の理科室で使われていたとか。

G 大家さんは照明家として活躍するデザイナー。住まいにはどのように灯りを配置したら心地いいかをふまえたうえ改装しているので、明るすぎず暗すぎず、夜の雰囲気もとてもいい。


 さて、ふたりともフォトグラファーというわださん夫妻。徒歩5分の場所に借りているという事務所・スタジオも一緒、もちろん家も一緒。食事はどうしているんでしょうか。

「仕事内容は別でもお互いをサポートすることは多く、食事はお互い仕事が終わったら一緒に作って食べています」。

 「休肝日はない!」というところは一致しているお酒好きなふたり。友人が夕方ビール片手にやってくることも多く、家や事務所で宴会になることもしばしば。料理上手なわださんだけでなく、イベントにカレー店を出すほどの腕前という小宮山さんもキッチンに立って友人をもてなします。

 海外からの友人も多いため日本に来るとしばらく滞在したり、友人の友人を「案内してやって」と紹介されたり。

「自分たちも旅行に行くときは、国内でも海外でも友達がいるところにばかり行くからおたがいさま。近くの印刷の工場に見学に行ったり、おもしろい地元を案内しています」


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H こちらの作業台も小宮山さん作。エクステンションできる、というこだわりぶり!下段には米、鍋類、上段には調味料のストック、掃除道具を収納。

I 死角になっている冷蔵庫側面も、マグネットを利用してラップ、アルミホイル、袋のストック、鍋つかみなどの置き場所に。

J ずらり並んだ調味料やスパイス、コーヒー豆。在仏経験があるという小宮山さんとフランス語を絶賛練習中のわださんらしく、「Sucre」「Farine」など保存容器に書かれた手書きの文字はすべて、フランス語。スパイス類は新大久保のイスラム横町界隈で、中華材料は「華僑服務社」で買うとか。

K 汚れ物を洗うときに使える!というのは、竹で作られたささら。曲げわっぱ、木べらなど自然素材から生まれた道具に惹かれる。


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L&M シンプルな食器棚は、なんとネットオークションで1万円で落札した掘り出し物。器は旅先で買うことがほとんどだそうで、友人を訪ねて大分を訪ねた際は、みんなで小鹿田焼などの窯元を訪ねるとか。

N 食器棚のとなりには小さなデスクを置いて、読書やちょっとした書き物をするスペースに。

 

 

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取材・文 柳澤智子
撮影 萬田康文


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Writer's Profile
わだりか Rika Wada

フォトグラファー。夫の小宮山裕介とともに写真事務所「モビール」経営。ハンドメイド好きが高じ、2003年ホームスイーツクチュリエ(日本ヴォーグ社刊)にてフォトグラファーとしてのキャリアスタート。2005年独立。主にクラフト本の撮影、料理、インタビュー、広告などで活動中。
写真関連の雑貨ブランド[nadowa]の企画・販売をするとともに、撮影スタジオ・ギャラリー[Le Tiroir]を運営。


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