特集

【リレー連載】vol.23 小池梨江さん(jokogumo店主)前編

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2018.08.03

家の中でも特にキッチンには、暮らす人の趣向、工夫、そして物語がつまっているように思います。使いやすいようにどんな工夫をしているの?どんなふうに過ごして、どんなごはんを食べているの?

いろいろなキッチンをリレー形式でめぐり、暮らす人の「作って食べる」に隠れた物語をうかがいます。


 フォトグラファーのわだりかさんが紹介してくれたのは、神楽坂のセレクトショップ「jokogumo」の店主、小池梨江さん。「もんぺ展」といって、小池さんがお店で取り扱うもんぺを神楽坂界隈のショップやギャラリーの店主に履いてもらいインスタグラムにアップする、という企画をしたときに、わださんにも登場いただいたのが出会いとか。

 台所用品も多く扱う小池さん。さて、どんなキッチンなのでしょう。


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A 黒と木の組み合わせ。なんとも端正で日本的な美しさを持つキッチン。

B ダイニング側から見るとこんなふう。シンク部分、コンロ部分、作業部分と3つのパーツにわけ、もし引っ越すことになってもばらして運べるようにしてもらった。手前の台は、昭和初期のものという日本の食器棚。

C 食器棚としてだけでなく、キッチンカウンターとして使うなんて素敵なアイデア! しかも、ネットオークションでみつけた掘り出し物。


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D、E シンク上の収納棚はごらんのように、半分だけ戸で隠せるように。「かごやざる、せいろなど湿気を嫌う道具が多いので風通しをよくしたかったのと、好きな道具を全部かくしてしまうのはもったないから、スライドして好きな位置に動かせる戸にしてもらいました」。棚と天井の間の20cmほどの隙間は、建築家さんから板を貼りますか?と聞かれたけれど、ここにもざるを置きたい!とそのままオープンに。


イメージは古い日本家屋。キッチンの壁は黒に

 築30年のマンションをリノベーションして、家族3人で暮らす小池さん。
木のぬくもりあるインテリアをぐぐっと引き締めているのが、キッチンの黒い壁。キッチンで黒い壁って珍しいのでは?
「古い日本家屋によく見られる黒壁が理想でした。それを再現するために、モルタルに炭を混ぜて塗装してもらったんです」
 ナラ材でオーダーしたというキッチンのシャープなデザインとあいまって、どことなく和を感じさせます。小池さんにとって、「和」「日本」は心惹かれるもの。経営しているセレクトショップ「jokogumo」の店名の由来も、夜明けの東の空に棚引く雲のことだそうで、昔の和歌によく詠まれていた言葉とか。
「美しい空と、それを眺める心の余裕。どちらもずっと、大切にしたいもの」を取り扱いたい、と思いを込めて名付けました。
 キッチンの棚にも、ざるやかご、升重、土鍋、器、漆の椀……と、小池さんが愛してやまない日本の道具がずらり。日本各地で作られた道具には、その土地それぞれの生活に沿うよう技や知恵が隠されている、とその魅力を話してくれました。
 香川、岡山で育った小池さん。意外にも心に響く道具は西日本ではなく、東北で作られたものだとか。
「東北の人柄があらわれたような、実直な感じがいいんですよね」


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F コンロ脇の壁。栓抜き、鍋敷き、すいのう、鍋つかみ、ささらと日本の道具が並ぶ。

G ダイニング側の壁には、日本各地のざるを飾って収納。右から福島のまたたびざる、宮城の竹かご、秋田のカバ細工の箕(み)。かごやざるは材料や編み方など作られた地方の特性が強く現れるそうで、「このカバ細工は裏の方がかっこいいんですよ」とわざわざ箕を裏返してかけ直してくれた小池さん。マニアック!確かに、木肌により味があって、納得。

H 鍋、ボウル類はスタッキングできるシリーズで統一。

I 前の家からキッチンで使っている、という自作の棚。「今の家に引っ越して来て、サイズがぴったりで嬉しかった」


「子どものおままごとのメニューが渋いんです」(笑)

 自宅からお店までは自転車で15分ほど。夕方5時までお店で働き、3歳になる息子さんを保育園に迎えに行ってから晩ご飯の準備を。ご主人は19時半には帰宅できるそうで、家族そろって食卓を囲みます。お酒好きなご夫婦は、ビールや日本酒と晩酌が日課。常備菜は「全部食べ尽くされる」からとあまり仕込まず、家に帰ってきてからすぐにできるものを作ります。
「だからうちのごはんはおつまみみたいなものが多くて、子どもらしいメニューがあまり出ない。息子がおままごとしているのを見ていたら、“こんにゃくとかつおぶし”を作っていて、渋いなーって(笑)」

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ダイニングの壁には岩手版なまはげである「なもみ」の腰みのと、安彦年朗さんの作品である鬼の面。これを使って節分は豆まきをするそう。お子さんが大泣きしそうだけれど、慣れてしまって平然としているとか。

日本の美しさ、心は、どうやらお子さんにもしっかり受け継がれているようです。
小池さんの愛用道具の紹介は後半で。

 

後編へ

 

取材・文 柳澤智子
写真 よねくらりょう

 

Writer's Profile
小池 梨江 Rie Koike

香川県出身。セレクトショップ「jokogumo」店主。器など日常の道具から、おいしい食材まで、全国各地をたずねて仕入れた品が並ぶ。独自の視点でまとめた夫の故郷である盛岡のガイドブック『行ってみたいトコロ盛岡』をリトルプレスで発売中。夫と3歳の男児の3人家族。


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