特集

【リレー連載vol.27・髙田純子さん】nociw主宰

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2019.01.22

良き毎日を過ごしている人は、食べることを大切にしている。キッチンにも、その人らしさがあふれている。そんなgoodな風景が広がる、キッチンをリレー式でお届けします。

 

 

スタッフも家族同様。大勢で囲む食卓

 リレー形式で次の取材先を紹介してもらう、というこの連載。vol.26に登場いただいた益子に住む高山純子さんから「10分くらいのご近所さん」だという髙田純子さん、英明さん夫妻にバトンが渡りました。
 髙田さん夫妻は、星居社という建築の設計施工と服飾の会社を営んでいます。星居社といえば、リンネルやクラリネでもおなじみの人気店「starnet tokyo」(現在は閉店)はじめ、豊洲市場「銀鱗文庫」などの店舗や住宅、古民家改修などを手がけています。vol.25の藤木宏美さんの新居も、星居社さんの設計施工によるもの。
 秋葉原発益子行きの高速バスで髙田家に向かっていると、「今日は、大工さん、スタッフなど私達含め8人、出社しています。お昼ごはんも賑やかになりそうです」というメールが純子さんから届きました。
 おおお、8人の大所帯! 今日はどんなキッチンが見られるのでしょうか。

 事務所を併設したご自宅を訪れてみると、キッチンでは純子さんがのり巻きをくるくると巻いていました。炊飯器は、なんと10合炊きサイズ! 今日は10合炊いていないそうですが、炊飯器ひとつとってもごはんを食べて行く人が多い、という髙田家のふだんの様子がうかがえます。
 12時になると事務所にいたスタッフの寺山さん、郷上さん、外の作業場にいた大工の宿谷さん、望月さんが、どやどやと食卓へ集まってきました。今日のメニューは、のりまきに具沢山の豚汁、きんぴらごぼう、里芋、さつまいも、れんこんなど根菜の温サラダ。お弁当を作ってくる人もいるそうですが、基本的に昼ごはんは作ってみんなで食べるスタイル。始業が朝7時半という星居社はコーヒーを飲みながらのミーティングに始まり、忙しい時期には残業中、夕食もともにするとか。夕方には10歳の長女と5歳の長男も帰ってくるというから、そ、それって、たいへんじゃないですか!
「常にキッチンはフル稼働です。でも、スタッフがすごく助けてくれるんです。今日も掃除機かけときますねーって、リビングの掃除をしてくれたんです」と純子さん。
 そして、最近、拍手喝采を持って迎えられたのが、英明さんのお母さん。その守備範囲は、星居社の仕事の手伝いだけでなく、家事、育児、純子さんが主宰する洋服ブランドの裁断まで広い。お母さんは大手企業の社員食堂で働いていたそうで、大勢のごはんをつくるなんて朝飯前。しかも、何を作ってもめっぽうおいしい、というスーパー助っ人なのです。

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元焼肉店という賃貸に家族4人暮らし

 髙田夫妻が現在の住まいに引っ越して来たのが、11年前。木造平屋の賃貸物件で焼肉店や陶芸家のアトリエになったり、しばらく空き家だったり。たまたま空いたよ、と紹介されて下見に行くと、厨房のまわりを囲むカウンターテーブルや、クロスばりの壁などよくある感じの内装だったそう。
改装したらよくなる予感があったんですか?という質問に、「いや、どこにも魅力はなかったですね(笑)」(英明さん)。断熱材も入っておらず、トイレも離れにある状態で暮らし始め、仮暮らしを楽しんでいた髙田夫妻。長女が生まれたときも気にすることなく不便な仮暮らしを楽しんでいましたが、今のような快適な住まいに変わるきっかけがありました。それが、東日本大震災。
「壁が落ちたりしたんですけど、こんな状態で手放すのは家に悪いというか。明日もし引っ越すとなったとしても、きちんと手を入れようと」
 そして、断熱材を入れ壁はしっくい塗りに。床を無垢に張り替えたり、外壁を変えたり。トイレ、お風呂、事務所、サンルームと四方八方に、「もはや現状をとどめていない」というほど、どんどん増築。
 キッチンはというと、カウンターテーブルを外し、業務用ステンレスキッチンはそのままに。古い食器棚をいくつか置き、空いたスペースには英明さんがぴったりサイズに収まるように棚を自作。いい意味で厨房感を残す今のキッチンになりました。

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大工さんらしい自作ツール

 ふとテーブルの足下をみると、立派な一枚板の天板に対して脚はずいぶん華奢なような……? 今まで使っていたテーブルはお客さんに引き渡してしまい、とりいそぎ展示用の脚に持っていた一枚板の天板を乗せたという仮のテーブルなんだとか。しかも、この脚、金属部分は真鍮だしなんだかかっこいいんですが。
「それは商品として作ったんですよ。古い建具を再利用して。益子って陶器市などのイベントが多いでしょう。だから、簡易に組み立てられる台を作ろうと思って。」(英明さん)
 キッチンで食材入れに使われていたヒジノワ洋装店とロゴが入った木箱も、英明さん作。杉の木目が美しい!

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キッチンの神さま

 シンクの上の壁を、ふと見上げると神棚がありました。食器棚の上には、盛り塩も。願うのは、家内安全と商売繁盛。それにしても、祀ってある平和観音(左)のかわいいこと!聞くと益子のアーティストからいただいたものとか。右は、友人のおじいさんが作った山神様。

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キッチンと隣り合わせのアトリエ

 純子さんは、「nociw」という洋服のブランドを主宰しています。「益子には、陶芸家、飲食店、木工など、多業種の人々が暮らしています。その人たちそれぞれの作業に適した服を考え、エプロンをはじめ機能的な服を製作しています」と純子さん。リネンの端切れをポジャギのようにつないだシャツや、柿渋で淡いピンク色に染めた生地のみでつないだワンピースなどの1点物の服もあり、毎年益子で年2回のグループ展に参加しているとか(イベント情報は、星居社のInstagramで)
 そのアトリエは、リビングスペースをはさんだ部屋の向こう側。ソファとハンガーラックでゆるやかに区切っています。ここで、デザイン、パターン、裁断、縫製を行っています。
 ふと、気になったことを聞きました。いったい、どこで寝ているんですか??
「あ、ここですよ」。と指差したのは、リビング。ここにおふとんを敷いて、家族4人で眠るのだそうです。まだ小さい長男君はまだみんなが仕事をしている時間帯に寝ることも多く、添い寝をしながら純子さんも寝てしまうことも多々。
生活と仕事が同じ空間にある。いろんな表情を持つ髙田家のキッチンでした。

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いつものごはん

 スタッフと囲む昼食のには、パスタやどんぶり、山形県出身のお義母さんの郷土料理ひっぱりうどんを作る事がほとんど。お客様がいるときは、こののり巻き。酢飯ではなく、ごま油と塩で、白ごまで味つけをした韓国風がポイントです。

 

「韓国風のり巻き」

ごはん       適量
ごま油、塩、白ごま 適量
海苔        適量

たくあん
茹でにんじん
茹でほうれん草
茹で大根
油揚げ(甘めの醤油で焼いておく)など好みの具 適量

  1. ごはんにごま油、塩、白ごまを混ぜておく。
  2. 海苔にごはんを乗せ、好みの具材を巻く。
  3. 海苔にさっとごま油をぬる。
  4. 好みでしょうゆや、味噌、酒、砂糖、すりごまを混ぜて煮詰めたごま味噌を添える。

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愛用の道具

かけたり割れたりしても漆で継いで長く使っているんが、京都在住の陶芸家、竹田道生さんの皿。継いだあとがいい味になっていて、さらに愛着がましたとか。


益子在住の松永レミさんによるデミタス、通称”レミタス”と饗庭孝昌さんのデミタスカップ。イベントで多くの人にお茶を振る舞うには、普通のコーヒーカップよりもデミが重宝。


取っ手がとれてしまったピッチャー。以前、尊敬する先輩が銅線をぐるぐる巻き付けることで取っ手がわりにしていたことから、まねしてやってみたとか。今でも現役で、2人ぶんのコーヒーを入れる時に役立っています。

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髙田純子さん

宇都宮白楊高校服飾デザイン科卒業、文化服装学院服装科、技術専攻科卒業後、都内のアパレルメーカーを経て益子へ。「STARNET」故馬場浩史、和子夫妻に師事。6年半勤務後、フリーランスに。現在は、洋服のブランド「nociw」を主宰する。一男一女の母。

髙田英明さん

星居社主宰。CAFÉ&SPACE「ヒジノワ」副代表。建築関係の高校卒業後、益子の「STARNET」を経て、大工に。2015年に星居社創立。第一回土祭(ヒジサイ)から会場設営を担い、ヒジノワの立ち上げから参加。副代表、代表を歴任し、ものづくりを通じて益子を盛り上げるひとり。

 

キッチンデータ/賃貸木造平屋

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取材・文/柳澤智子
写真/萬田康文

 


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