vol.21  薬膳アドバイスを受けてみた!~表参道・源保堂鍼灸院を訪ねて②

2019.05.16

「年齢を重ねると、女の人はこころもからだも、いろいろありますよねぇ」。
フォトグラファー・大段まちこと、フリー編集者・井尾淳子、「お年ごろ」を迎える2人が「こころとからだ」を元気にする浄化スポットを訪ねます。

前回訪れた東京・表参道の源保堂鍼灸院げんぽどうしんきゅういんには、鍼灸施術のほか、「薬膳部」なるものがあるのです! 患者さんの体調、ライフスタイルに合わせた食事相談に乗ってくださると聞き、大段さんがチャレンジ。さて、その結果はいかに?


源保堂鍼灸院の薬膳部では、からだにやさしくて美味しい、薬膳スイーツのご紹介も(詳しくは、文末プロフィールを参照)。


「治療」と「食事」。両輪で治そう

井尾 今回は「薬膳部」のお話です。どうぞよろしくお願いいたします♪

佳子先生 こちらこそ、よろしくお願いします。


薬膳部を担当するのは、瀬戸佳子先生。院長の奥様です!前職は環境のコンサルタントだったそう。 


井尾
 大段さんはすでに、佳子先生の食事指導アドバイスを受けているんですよね。

大段 そうなんです〜。

井尾 結果はあとでじっくり伺うとして。ところで、こちらの鍼灸院に「薬膳部」があるのはなぜですか?

佳子先生 鍼灸の治療では院長先生から、からだの状態や季節に応じた食材のご提案をしています。でも、「さらに詳しいアドバイスが欲しい」というご希望も多かったので、私が国際中医薬膳師の資格を取り、この薬膳部を始めました。

井尾 なるほど。食事って、毎日のことですしねぇ。

大段 私も、どうすれば自分のからだに必要な食事を日々摂り続けることができるのか、そのポイントが知りたい!と思ったんですよね。

佳子先生 鍼灸などの東洋医学は、患者さんの自己治癒力を使って治していくものです。そのためには、普段の食生活から自己治癒力がしっかり発揮されるよう、生活を整えていくことも大事ですから。

井尾 治療と食生活。両輪なんですね~。


待合室に置いてある資料にも、食事についての注意事項がわかりやすく書かれていました。


炭水化物は怠け者……?

大段 私はついつい、うどんやおにぎりだけで食事を済ませてしまいがちだったので……。ここに書いてあるように、「怠け者の炭水化物」が際立っていたのかもしれません。

佳子先生 炭水化物は、摂りすぎるとからだがダラッとしちゃうんですよ。

井尾 そうなんですか。

佳子先生 炭水化物は、肉や野菜など、いろいろな食べ物と一緒に食べることによってはじめて、からだの血肉となり、エネルギーとなります。でも炭水化物だけに偏ってしまうと、からだに必要なエネルギーが回らない。なので、足りない栄養素を補う必要があります。

大段 「野菜はやさしさ」「魚は知恵」と書かれていますが、これもわかりやすくて面白いですね。


まずは3日間の食事チェックから


こちらが大段さんのカウンセリング結果。「初回の相談は、まず3日間の食事内容を写メと合わせて、佳子先生にお伝えすることからスタートします」(大段さん)


大段
 鍼灸の治療では、院長先生から「栄養の消化吸収がよくない」と言われました。

佳子先生 大段さんは全体的に代謝があまりよくないので、そこを上げていくための食事指導になりました。「湿痰(しつたん)」「肝虚(かんきょ)」「血虚(けっきょ)」というからだの状態が考えられます。

井尾 その3つは、具体的にどういう状態なのでしょう?

佳子先生 湿痰は、からだの水分が過剰になっている状態。むくみや鼻づまりなど、不要なものがからだに停滞してしまうことです。肝虚は、消化器も含めた臓器全般の流れが停滞している状態。血虚は、血が不足して貧血の状態。これらは中医学、漢方医学の考えからくる状態ですが、ほとんどの方が大段さんのように、いくつかのタイプを複合的に抱えています。

井尾 それらの状態が総合して、代謝が落ちてしまっている、ということなんですね。

佳子先生 はい。湿痰があると胃腸の調子が落ちるので、食べてもすぐにお腹がいっぱいになったり、食欲が低下したり。

大段 たしかに、食べてもあまり量が入らないことが続いていたかもです〜。

佳子先生 そうですよね。なので本当は、湿気(水分)の溜まる食事(炭水化物・甘いもの・冷たいもの・生もの)を変えていくことが大事なんです。でもいきなりそこから入ってしまうと……。

2人 続かないですね!(笑)


まずは「必要なものを補う」

佳子先生 その通り(笑)。続けるためには、引き算ではなく足し算で、足りないものを補うことが第一歩。たとえば、大段さんのある日の食事はクリームパスタでした。そこに野菜サラダをプラスしたり、具材に肉類などのタンパク質をトッピングしたり、まずは「必要なものを補う」ことから始めていきます。


「ブロッコリーやキャベツ、小松菜、ほうれん草などの青い野菜、赤身の肉・魚を積極的に食べるよう、アドバイスをいただきました」(大段さん)


大段 「引き算よりも、必要なものを足し算」の法則を頭に入れておくことで、食事の考え方にも変化があったんですよ。

井尾 ほほ〜。というと?

大段 自分の食べる量は、大体決まっていますよね。そこで「野菜と肉を優先して食べる」を心がけると、必然的に炭水化物の量はかなり減りました。

佳子先生 ですよね。そうすると、自然に全体の栄養バランスが整い始めるんです。

井尾 たしかに、「食べちゃダメ!」というガマンから入るより、「これを食べよう!」という意識から入ったほうが辛くないかも。

大段 食事の改善といっても、ネガティブにならないのがとってもいいと思いました。


おやつを栄養に変えるコツ


佳子先生が定期的に主宰するイベント「薬膳おやつ会」では、からだにいい食材を使ったおやつをいただくことができます。


井尾 食事って栄養だけじゃなく、コミュニケーションツールというか、楽しみの部分も大きいですもんね。

佳子先生 炭水化物と甘いものが好きな方はとくに、「控えてください」と言うと、継続が難しくなってしまいます。でも、甘いものは「すべてNG!」というわけではないんですよ。

2人 そうなんですか?

佳子先生 はい。うまく使えば栄養補給になります。たとえば食が細い方の場合、おやつや間食を食事として考えて、そこでしっかり摂っていただくなど。

大段 今日、先生に出していただいた薬膳スイーツは、どれもとっても美味しかったです。

佳子先生 上記の写真のおやつは「豆乳のゼリー」です。乳製品は肝臓に負担をかけてしまうので、おやつに摂る場合やお年ごろのお悩みがある方には、なるべく豆乳のものをおすすめしています。

井尾 ほかにも、お年ごろ女子におすすめのおやつ食材はありますか?

佳子先生 東洋医学では、お年ごろに変化するホルモンと関係の深い「肝」と「腎」が大事なので、それぞれを補うものがいいですね。たとえば、「黒ごま」や「黒豆」などの黒いものは腎を補います。「クコの実」は肝と腎を補うアンチエイジング食材。さらに、胃腸の弱い方は「なつめ」をおやつにするといいですよ。なつめは別名「脾(ひ)の果」ともいわれていて、漢方薬では滋養強壮の生薬にも使われています。

井尾 このおやつは、なつめにくるみをはさむだけでいいので手軽ですね〜。

佳子先生 くるみなどのナッツ類は、肌に潤いを与えてくれる美肌効果もありますよ。


写真上から時計回りに、「豆乳のゼリー」「よもぎ・黒ごま・小豆のケーキ」「なつめのくるみサンド」(写真の有機なつめは源保堂鍼灸院で購入も可能です)。


夜は胆嚢と肝臓の時間だった!

井尾 私も質問していいですか。とにかく朝は、何も食べる気にならないんです。それってどうなんでしょう?

佳子先生 晩ごはんの時間が遅い、ということはないですか。食べてから寝るまで、3時間以上空けるのが理想なんですが……。

井尾 うーん。食べる時間も遅くなりがちですが、仕事が忙しいときはどうしても、寝る時間がまず遅くなっちゃうんですよね……。なので朝は食べるより寝ていたい!みたいな。

佳子先生 そうなると自律神経が乱れがちになってしまいますね……。毎日はムリでも、週に1回でも早めに寝る日を作ると、からだも変わってきますよ。からだには「内臓時間」といって、臓器それぞれに修復・回復する時間があるんです。たとえば、夜11〜1時は「胆嚢の時間」で、1~3時は「肝臓の時間」

大段 その時間帯は、臓器に何が起こっているんですか?

佳子先生 胆嚢は、脂肪の消化酵素を出してくれるところで、11〜1時は臓器全体のとりまとめもしてくれます。そして1〜3時は、肝臓がからだの解毒をしてくれるデトックスタイム。お酒をよく飲む人は、できるだけその時間は寝たほうがいいですね。


「肝臓と胆嚢は兄弟のような関係なので、肝臓を元気にしてあげることが、ひいては胆嚢も元気にすることにつながります」(佳子先生)


お年ごろ女子は、香りのいいものを

佳子先生 お年ごろ女子の方は仕事が忙しかったり、子育てなど家族のこともあったりで、ストレスが溜まりやすい年代ですよね。ストレスが溜まると肝臓のめぐりも悪くなるので、香りのいいものを積極的摂ってください。

大段 ハーブティーやアロマオイルとかですか?

佳子先生 そうですね。ハーブティーやアロマは、バラがおすすめ。女性ホルモンを増やして、血流もよくしてくれます。あとは柑橘類の香りもいいですし、セロリやシソも、気のめぐりをよくしてくれます。



お年ごろ女子におすすめ、バラが配合された各種ハーブティーも、源保堂鍼灸院で購入可能です!


大段 佳子先生のアドバイスは、「できることから」なので、続けられそうです。

佳子先生 まずは2週間、トライしてみてください。

井尾 2週間後は、また次のステップがあるんですか?

佳子先生 はい。ステップ2、ステップ3へと続きます。もっと効率的に、からだから「湿気」を除去できるような指導になっていきますよ。

大段 それを楽しみに、がんばります。

井尾 私もぜひ、薬膳部に入部したくなりました(笑)。からだを根本的に見直したいお年ごろ女子には、鍼灸治療と合わせておすすめですよ〜。


▼Profile

大段まちこ
フォトグラファー。かわいいもの、雑貨、ファッションなどをテーマに女性誌やライフスタイル誌で活躍。
井尾淳子
フリー編集者。子育て雑誌の編集経験を経て、現在は書籍、Webコンテンツなどの編集、執筆を中心に活動。

 

Writer's Profile
源保堂鍼灸院・薬膳部

薬膳部でのカウンセリングは予約制。お食事内容のチェックと源保堂鍼灸院・院長の脈診による体質診断とを組み合わせて、国際中医薬膳師が患者様の体質やライフスタイルにあわせた食生活の改善をご提案しています。希望の方には、おすすめのハーブティーや食材の送付も行っています。人数や予算、内容などの要望に合わせた出張薬膳教室も開催。
●東京都渋谷区神宮前4-17-3 アークアトリウム101 Tel&Fax 03-3401-8125
開院時間・曜日・料金(自由診療)・予約案内の詳細および最新のイベントについては、源保堂鍼灸院公式サイトを参照ください。https://genpoudou.com


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