サウナ大使・タナカカツキさんとサウナ談義(前編)

2018.04.24

sauna06_00


マンガ『サ道』をご存知でしょうか。サウナ好きたちの「バイブル」と言われている一冊です。著者はマンガ家のタナカカツキさん。タナカさん自身が、ふとしたキッカケからサウナへ入るところから始まり、サウナにいる人たちの人間模様と共にサウナの入り方や楽しみ方を教えてくれる『サ道』は、サウナのことを説明したい気持ちを全部書いてくれた! というマンガです。実は、わたしも『サ道』でしっかり予習してから、初めてのサウナに向かったので、すんなり入れたのだと思います。


sauna06_01

タナカカツキ

マンガ家。『オッス!トン子ちゃん』、『バカドリル』、『サ道』の著者で「コップのフチ子さん」の生みの親。そして日本サウナ大使でもあります。日本にはサウナ大使はたった2名だけ。もうお一方は…ミスタージャイアンツこと長嶋茂雄さん!

2018年3月にリトルモアから女性向けサウナ本『はじめてのサウナ』を出版。(女性サウナー代表として、感謝申し上げます!)

 

ある日の昼下がり、タナカ大使とわたしでサウナ談義を開催。わたしたちだけだと、すぐに脱線してヘンテコな方向へ行ってしまうので、リンネル編集部の佐々木さんに見守ってもらいつつ、サウナと女性の健康と心、そして世界平和まで語りつくしました。

sauna06_02


サウナもコーヒーも今は「サードウェーブ」到来中!?

岩田:
まず、今日サウナ施設での対談じゃなくてゴメンなさい!(笑)

タナカ:
久々ですよね。サウナじゃないところで会うって。普段、こういう対談やインタビューの時はサウナ施設の館内着でおしゃべりするので、普通の服着て話すのって初じゃないかな。今日は仮の姿!

岩田:
完全に化身ですね。バスローブ着てないカツキさん久々です。わたしも今日はすっぴんじゃないし。

タナカ:
岩田さん、もともと「コーヒーの世界」の人じゃないですか。サウナ好きってコーヒー好きな人多いでしょ? 私もずっとコーヒーのお世話になってきたし。

岩田:
私は8年くらい前までコーヒーは飲まず嫌いで全く飲んで来ない人生だったんです。全然知らなかった世界だったから、飲まなかった頃を取り戻す感じでどっぷりハマってしまいましたね。サウナも友達に勧められてハマったんですよね。カツキさんも昔はサウナに全然入らなかったでしょ?

タナカ:
大嫌いでしたね! 大嫌いどころか、自分の世界にはサウナという存在が入ってなかった。見えてなかった。


眼中にさえなかったサウナとの出会い

sauna06_03

岩田:
でもどうしてそれが入ってみようってなったんですか?

タナカ:
近所でできたばかりのジムがあって、ジムの会員になったんです。会員になったんだし!と、トレーニングマシーンから酸素吸入まで、全部使ったけどサウナだけは使ってなかった。視界に入ってないから。壁だと思ってたからね。施設全部使ったかな~と思った時に奥に真新しい綺麗なサウナがあって、「まだ使ってないな」と思って入ってみたのがキッカケ。入ってみたら、まぁ木のいい香り。

岩田:
そうか、暑いとか我慢とかそんなのより、まずは木の香りだったんですね。

タナカ:
すごくいいヒノキの香りがした。できたてのジムやし、平日の昼間だから誰もいない。なんならランニングマシーンも使ってる人いない。それでサウナと水風呂を行ったり来たりしてたの。

岩田:
いきなり水風呂に行けたんですか?

タナカ:
いや、最初は入れないよ。でもいい木の香りがするから、サウナ室にいてしまう。汗は流れる。でも人がいない。だからいてしまう。そしたらその後、普通のお風呂入りたくないよね。すると水風呂が目の前にある。入ってみようとなったわけ。
でもいきなりは入れないから、手と足だけ入れてみた。桟橋にいるような感じで、足だけね。そしたらまた冷えてくる。それでサウナ室行く。それを2、3回繰り返してたら、足を水に入れてるだけじゃ体が冷えなくなってきたのよね。体の芯まで温まってるからね。そしたら肩まで入れるようになった。

岩田:
自然と、もっと入りたいって思ったんですね。

タナカ:
体が冷えないからもっと入りたいって思ったのね。それで肩まで入ってしばらくしたら、発見したんよ…。じっとしてたら温かいって!

岩田:
羽衣ですね!

編集 佐々木:
なんですか、羽衣って!?


温度の羽衣をまとって、幸福に。おじさんたちはこれやってたの?

sauna06_04

(大使がホワイトボードを使って説明を始めました。大使の絵が大好きな私はワクワク。)

 

タナカ:
水風呂でじっとしてたら、急にスッと冷たさがなくなる時が来るんですよ。でも動いたら冷たくなるので、膜みたいな「温度の羽衣」が体の周りにできて守ってるんだってわかったんです。動いたら寒い、ずっといる、動いたら寒い、ずっといる…を繰り返してたら、そのうちフラッフラになってきた(笑)。それを繰り返してるうちに、脳に「気持ちいい」がインプットされたんやろね。2日目、3日目とジムのサウナで同じこと繰り返してるうちに、「なんや俺、普通にサウナ入ってるやん」ってなった(笑)。

岩田:
気持ちがいいなっていう感覚は、その2日目、3日目ですでに習得してました?

タナカ:
いや、もうしばらく経ってからだった。「あのオッサンたち、これやっとったんか〜! これなら、やるのわかる!」と思った。それでしばらくやってたら、信じられないくらい「トバされた」というか、信じられない幸福感がやってきて!

岩田・佐々木:(爆笑)

タナカ:
「なにこれ!?」ってなった。


sauna06_05

(ちゃんと水風呂ではサウナハット脱いでる絵!)

 

岩田:
それは水風呂に入っている時になったんですか?

タナカ:
いや、サウナを出てから椅子に座ってる時。遠くに置いてある扇風機からうっすら風が当たって、さらにはヒノキの香りでしょ。都会にいながらこの自然感、すごいなと思った。この感覚を家に帰ってすぐネットで調べた。オッサンたちは一体どこまで気持ちよくなってるんだろうと。

岩田:
検索ワードは?

タナカ:
「サウナ」「意識」

岩田:
独特な検索ワードで行きましたね(笑)。

タナカ:
さすがに「サウナ・意識」では何も出てこなかったね。次は「サウナ・恍惚」「サウナ・トランス」とか調べてみた。それくらいの感覚だったからね。

岩田:
おじさんたちってそこまでの感覚に行き着いてるんですかね?

タナカ:
あとでわかったんやけど、オッサンたちはそこまで行ってない。

岩田:
汗かいてスッキリして気持ちいいな、くらい?

タナカ:
爽快くらいで止まってて、その奥のステージに行ってない。

佐々木:
これまで聞いていると、タナカさんのサウナは自己流というか、自分で開発したというか。

タナカ:
たまたまですけどね。できたての綺麗なサウナっていうのも大きかったと思います。要は香りなんですよね。

佐々木:
あとは、誰にも邪魔されない感じとか。


sauna06_06


タナカ:
そうですね、邪魔されないし、リラックスできるし。いわゆるサウナにテレビがあるところではなかったのもよかった。そこからサウナの起源を色々調べて、本にできるなと。これはまさに「道」。=「タオ」だと! それで『サ道』ができたわけです。

 

女性にも気軽に「はじめてのサウナ」を体験してほしい

佐々木:
岩田さんも、その「奥のステージ」にはもう行かれてるということですか?

岩田:
行けてます! ずっとサウナは熱い、汗ベタベタ、のぼせる、頭痛いとかで絶対嫌だと思っていたんですが、『サ道』を読んで、サウナ好きの友達に入り方のレクチャーを受けたら、簡単に幸福のステージに行けました。これをサウナ界では「ととのう」という言葉で表現しています。ただ初心者の女性に恍惚感がすごいとか、ととのうとか、そういう角度でサウナ行こうっていうと引かれがちなんです。


sauna06_07


タナカ:
私もそういうことがあって、先月出版した女性向けサウナ本『はじめてのサウナ』では、「サウナ」という言葉も最初の方はあまり出してないです。絵も私のオッサンの裸の絵ではなく、ほりゆりこさんに描いてもらっています。「ととのう」という言葉も最後の方で。自然、スピリチュアル、リラクゼーション、健康、美容の方向で書いてます。

岩田:
本の中にある「サウナは暑いのをガマンする苦しい場所ではなく、キレイになる場所です。」っていう言葉がすごく好きでした。

 

つづく…。

______________

ということで、今回はここまで。カツキさんとサウナの話を始めると、何時間でも話続けられてしまうので、もはや危険! でも実はまだまだ序盤。カツキさんのサウナ体験話をじっと聞いていたサウナ未体験の編集の佐々木さんが、「ととのう」という感覚に興味津々に。後半は、佐々木さんのサウナQuestionをカツキさんとわたしで答えつつ、女性とサウナについて深掘りしていきます。

 

Writer's Profile
岩田リョウコ

‪ライター、コラムニスト、イラストレーター。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び、2009年から外務省専門調査員としてシアトル日本国総領事館勤務。コーヒーのトリビアをイラストで紹介する『I Love Coffee』は月間訪問者数60万人のサイトに成長しアメリカで書籍化される。著書に『シアトル発ちょっとブラックなコーヒーの教科書』など。サウナ好きが高じてサウナ・スパ健康アドバイザー資格を取得。‬


お知らせ
ナチュラン

毎日、季節の新作とコーディネート提案中。リンネル別注商品はこちらでご購入いただけます。