フィンランドサウナ旅 ~ハメーンリンナ編~

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2018.10.16

「ヘルシンキには行かずに、いいサウナを求めて地方を周ります。来ます?」

なんともグッと来る誘い文句。フィンランドへ行くのにヘルシンキに全く寄らず、特に観光も買い物もなし、4日間ひたすらサウナを巡るという、えらく尖ったサウナ研修ツアーに誘ってくださったのは、フィンランド観光局さん。さすがサウナにかける情熱がサウナくらい熱々です。

二つ返事で参加しますと言ったものの、いただいた日程表を見てみると、なんだか聞いたことのない街の名前ばかり。ヘルシンキとサンタクロースのいるロバニエミしか知らないわたしにとって、もはやこれはミステリーツアー。Google Mapで確認すると、どうやらフィンランドの真ん中をぐるりと一周する行程のようです……。


日本のガイドブックなどには載っていない地方のサウナを周るということで、よくわからなくても「売られたサウナは買うしかない」の意気込みで参加しました。というわけで、これから数回に渡って(まさかのヘルシンキには行かない)フィンランド・サウナ旅、お届けしたいと思います。


ストイックなサウナ旅、始まる

マリメッコ満載のフィンエアーで快適な約9時間半の旅を終えて、飛行機のタラップを降り、空港の建物まで運んでくれるシャトルバスに乗り込もうとすると目に飛び込んで来たのは……!

ドアの入り口に「SAUNA」の文字!

よく見るとバス全体に木の画像のラッピング。わかりにくっ! でもフィンランドの地に降り立って最初の一歩目からサウナに入ってる気持ちにコソーっとさせてくれてありがとう、フィンランド。でもこのバスのシュールな設定の意味に気づいてる人、たぶんわたしだけ……。


さてさて、入国して出口を出ると飛び込んで来たのは、「JAPAN SAUNA TOUR」のボードを持ったニッコニコのお姉さん。

彼女は最初の目的地「Hämeenlinna(ハメーンリンナ)」の観光局の方。我々、日本から来たサウナツアーを案内してくれるそうです。ハメーンリンナと聞いてピンと来る人はあまりいないかもしれませんが、交響詩「フィンランディア」でおなじみフィンランドを代表する音楽家シベリウスのふるさとです。


フィンランドでは、ヘルシンキを少し離れるとすぐに「森と湖の国」と呼ばれる所以を思いっきり見せてくれる景色が広がります。フィンランドの国土は約70%が森、10%が湖。ヘルシンキのような街の方が逆に少ないということですね。ハメーンリンナもまさに森と湖の街でした。

この日は夕方到着の飛行機からの長距離移動で、ハメーンリンナのホテルまで来たわけですが「サウナツアー」というだけあって「初日なので今日はお休みください」なんてユルいことはありません。サウナ、ここから始まります。


森の湖畔に佇むホテルには、もちろんサウナがあるということで、ホテルの後ろ側に回ると水風呂……、いや湖が広がっています。夏のフィンランドは白夜で、太陽が沈むのは夜の21時を回る頃。これも20時ごろ撮ったものですが、夕焼けが綺麗。この夕焼けが包み込む自然の水風呂に飛び込むのか、と考えるだけで時差ボケも吹っ飛びました。


さてサウナがこちらです。この連載を続けて読んでくださってる方は、もしかするとピンと来るかもしれませんが、ドアの隙間が黒くなっているのがわかりますでしょうか。

これは煙が隙間から逃げようとしてできたものです。つまりこちら、スモークサウナ(スモークサウナについてはこちら)でございます。初日にいきなり絶景の湖を前にスモークサウナに入らせてもらえるなんて、デザートから食べ始めているようなもんです。これが一番に出て来てしまうと、気分が上がりすぎてこの先どうなるんだろうと逆に不安さえ覚えます。


この日は柔らかい温度に包まれたスモークサウナと虹色に光る湖へのダイブを繰り返し、ありがたいことにガッツリととのいまして、時差ボケで苦しむことなく、ぐっすり朝まで眠りました。

(中は電灯がなく真っ暗。それがまた癒しを倍増させてくれます)


サウナは人の垣根やぎこちなさを取っ払う場所

実は初日に「やっぱりサウナってすごいな」と感服したことがありました。この研修旅行、ほぼ初対面の12人がヘルシンキの空港で待ち合わせをするところから始まりました。ほぼ初対面の12人の日本人が集まれば、そりゃぎこちなさの塊みたいなもの。

たとえ出会ったばかりでも初対面であったとしても、サウナではほぼ裸一貫になります。そして汗をかいて、湖に入ってという気分のいい体験を共有するので、一気に距離が縮まるのです。サウナに入った後は、すっかりかぎこちなさもなくなっていました。昔からサウナは政治や商談の交渉の場として利用されていたそうです。もしかしたら、世界で一番交渉がまとまる場所はサウナなのかもしれません。


次の目的地であるタンペレは、フィンランドサウナ協会と国際サウナ協会に「サウナ・キャピタル」として宣言を受けた都市。さてタンペレはどんな街なのか、どんなサウナがあるのか、乞うご期待です。

 

今回訪れたサウナ:
ぺタウス・リゾート

PETÄYS RESORT

Petäyksentie 35
14620 TYRVÄNTÖ
+358 3 673 301

https://www.petays.fi/en/saunas#gal_desc

 

Writer's Profile
岩田リョウコ

‪ライター、コラムニスト、イラストレーター。コロラド大学大学院で日本語教育学を学び、2009年から外務省専門調査員としてシアトル日本国総領事館勤務。コーヒーのトリビアをイラストで紹介する『I Love Coffee』は月間訪問者数60万人のサイトに成長しアメリカで書籍化される。著書に『シアトル発ちょっとブラックなコーヒーの教科書』など。サウナ好きが高じてサウナ・スパ健康アドバイザー資格を取得。‬


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